「おい、涼夜やめろって。」
注目されるのが嫌いなのに。
人といるのが嫌いなのに。
自己中男子のせいで。
私が上着着てるだけでこんなにカッとなる必要ある?
私は上着がなくちゃ生きていけない。
長袖じゃないと。
寒いわけじゃない。暑いわけでもない。
理由がある。
「ケンカなら向こうでやってくれない?」
そう静かに言い放って私は教室に出た。
そして、女子トイレにはいり、ゆっくりと上着を脱いだ。
腕には複数の傷。
腫れていて血で滲んでいるものもある。
ゆっくりと手で触れてみると
「________ッ。」
激しい痛みが全身に行き渡る。
こんなの見せられない。
見せたらまた何か起きるだけだ。
それに________父から何されるか分からない。
この傷は________。
2年前から始まったことだった。