高校1年の春。
古館高校に入学して1ヶ月半のことだった。
私、西野朱里。
アシメの前髪に胸ぐらいまでの髪をお団子にまとめた濃いめの茶髪。
第2ボタンまで開けたブラウスに太ももまでクルクルに折って短くした灰色の生地に青や黒のチェックの入ったスカート。
派手に制服を着崩しているからいつも風紀委員のターゲット。
そんな見た目からか、先輩からも「偉そう.調子乗ってる」などと目をつけられている。
でも、そんな問題児な私だって恋してる。
相手はアイツ、野球部の河上文人。
坊主でいつもドロンコのユニホーム姿。
学校で着ている制服が全くとして似合わない。
おまけに、モテるモテる。
でも文人は1度も彼女ができたことがない。
何人かに告白はされてるみたいだけど断っているみたい。
私は幼い頃からずっとずっと文人だけを見てきた。
だからもちろん彼氏なんてできた試しがない。
文人以外は嫌だもん。
私は絶対絶対文人のお嫁さんになるもん。
そんなバカみたいな夢を今でも追い続けてた。