プロローグ
ぼんやりと目に浮かぶ、見ているだけでもすっきりする快晴の青空 その青空を、ベンチに座って淡々と眺めるだけの時間。
なにも手を加えていない、無造作でボサボサの黒髪 それが、さらさらと風になびき揺れる。
こんな日は、あの時を思い出すなぁ。
「 ……虹色の、蝶__ 」
今は、どうしているのかな? もう、何年も何年も見ていないけれど……。
久しぶりに見たいなぁ 君の姿…… もしもう一度見れるのなら、すぐにでも写真に収めて、みんなに見せられるんだけどね。
____そうすれば、みんなに信じてもらえるのに。
____そうすれば、みんなが信じてくれるのに。
ただ、今の私に出来ることは____。
あなたが、元気だといいな…… また、会えるといいな…… と、願うだけ。
私は、羽をぱたぱたとさせながら跳んでいたアゲハ蝶に、そう願った。