1 転校してきた少女
夏休みも終わり、もう秋になったこの頃____。
今日も今日とて、生徒たちが学校に通う時間がやってきた 今の時刻は、正確に言うと午前7時の42分くらい。
友達とおしゃべりをしながら学校へと向かっている生徒もいれば、1人で登校している生徒もいる。
その他には、自転車や車が通っていったり__と、私の周りはとにかく騒がしかった。
____そんな中、私だけは溜め息をつき、暗い表情でぶつぶつと独り言をつぶやきながら歩いていた。
「 今日も学校かぁ 嫌だなぁ…… 」
下を向くと、まだ工事をしたばかりなのか、綺麗な道路が見える 私は、なにもしていないそれを睨みつけるように見つめる。
私は、なにも学校のすべてが嫌なわけではないのだ……。
_____ただ、“ あいつら ”が気にくわないだけ。
あいつら、というのは私をいじめてくる奴らのこと。
自分たちが気にくわないと、私をストレス発散道具として扱い、殴ったり、蹴ったり、私物を壊したり____。
……これくらいならまだいい方なのだが、私が1番されてほしくない、嫌なことは……。
「 おはよ、実香ちゃん! 」
「 っ!? あ……お、おはよう 」
私が考えごとをしている時に、肩を軽く叩かれ、話しかけられたので、一瞬ドキっとする。
びっくりして隣を見れば、そこには私が1番に信頼できる親友が、太陽のように明るい笑顔で私の方を向いていた。
……よかった、あいつらじゃなくて。
ちなみに、私の名前はこの子の言った言葉でわかる人もいたとは思うけど…… 私の名前は実香 名字も入れば、葉月 実香 自分でもわかっているが、とても地味なやつだ。
私に話しかけてきた子は、私の親友の加藤 真美 私とは正反対で、明るくて優しくて、人とはすぐに馴染めてしまいそうな子だ。
そして、さっき私が言いかけた“ 私が1番されてほしくない、嫌なこと ”とは____。