私は切嶋葵(きりしまあおい)。家族、
両親はー いない。数年前、事故で死んだ。
家族はただ一人、姉の切嶋朱(きりしまあかね)だけ。そんな私は、今日、奇妙なものに出会ったー
ー私と同じ顔、同じ服…何から何まで同じの人間(?)。私はもちろん双子などいない。これはヤバいやつだと思い私はある人物を探し回った。
「いた!」
私が探していたのは、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能ー…とにかくなんでもできるスーパー美少女、河元志織(かわもとしおり)。
「…何?」
超絶クールで冷静。
志織にあのことを話すと、少し考えてから、
「…それはドッペルゲンガーかもしれない」
と言った。
「ドンペリケンカー?ドンペリ飲みながら喧嘩するの?」
「ド・ッ・ペ・ル・ゲ・ン・ガ・ー。簡単に言うと、自分の偽物かな。見たら三秒後に死ぬとか三日後に死ぬとか…まぁそのへんは諸説あるけど、決していいものじゃない。」
「は…はぁ!?じゃ、じゃあ私、近いうちに死ぬの!?」
と、勝手に焦っている私を見て、志織がニヤリと不適な笑みを見せた。
「…実は、私もさっき見たんだ。自分のドッペルゲンガーを」
「…………へ?」
自分でもびっくりするくらい間抜けな声が出た。
「…まぁ、今からあんたの家に行けるか?できればあんたの家で話を進めたいんだけど…。」
「あっ…うん!」
嬉しい。志織のような天才で美人な人が自分の家に来てくれるなんてー。
…とそこまで考えてあることを思い出してしまった。家には今、姉がいる。私はサーッと青くなった。
〜続く〜