『今年の冬は、例年より寒さが厳しくなる見込みです』
朝、手をこすり合わせながらリビングに向かうと、すでに私以外の家族は全員いた。
「寒〜」
去年はこたつがあったのに今年1回使ったらぶっ壊れて、そのまま……。
こたつがない冬は厳しい。
お母さんは気を使って、毎日スープを作ってくれる。
器を顔まで上げて、湯気で温まった。
ん〜、暖かい。
朝食を食べたあと寒い階段を上がって部屋に入り、急いで制服に着替えた。
冷えた生地が、私の肌に触れる。
ベッドに入って毛布の中にうずくまる。
あぁ〜、外行きたくないなぁ。