小説
そんな日々が続き、もう鈴が来てから1週間が経とうとしていた。
そんな中、忘れ物は全く持って解らない。
「ねぇ瑠偉………、ノート貸して。」
鈴がいきなり話しかけてきた。
「へ?いいけどなんで?」
ノートって……、何か思い当たるものが出来たのだろうか。
「いや、ちょっと宿題やろうかなって……………。」
「は?」
僕は鈴に冷たい反応をしてしまった。
何故宿題をやるのだ?
鈴はもう勉強なんかしなくて良いはずだ。
だって僕にしか見えないし、忘れ物が見つかったら鈴は帰るのだ。
「だって……、勉強しないとダメかなって思って。瑠偉とか皆は頑張って中間テストの
勉強してるのに、私は何もしないでふらふらしてるんだよ?同じ15歳なのに。」
鈴は、頑張り屋なのか。
そういうことなのか。
納得はしにくいが、まあ『皆と同じ様に勉強したい』という意味だろう。
「解ったよ。でもこの5ヶ月間、新しいこと普通に習ってたし。鈴解るの?」
僕がそう聞くと、鈴は笑った。
「いや、だから気付かなかったの?授業中ずっと、私居たんだけど。」
へっ?
「え、嘘、知らな……」
僕が言い終わる前に、鈴が愚痴り始めた。
「っていうか、瑠偉の隣の村田美零さん?なんか瑠偉にめっちゃ話しかけてるよね。
気持ち悪い。」
え、それはどういう意味なんだろうか………。
「休み時間に春陽が美羽たちと話してて、聞いちゃったんだけど。村田さんって瑠偉の
こと好きらしいよ?近くに私が居ることにも気付かずに、本当にムカつく。」
「まあ、落ち着いて………。村田さんのことは片付けとくからさ。」
鈴ってこんなに愚痴るヤツだったのか……。
訂正です。
○「休み時間に春陽ちゃんが美羽ちゃんたちと話してて、聞いちゃったんだけど。
村田さんって瑠偉のこと好きらしいよ?近くに私が居ることにも気付かずに、
本当にムカつく。」
です。