プロローグ
「リュウト、ここに誰か倒れてるわ!」
降りしきる雨のなか、一人の女性の声が山に響く。その声に反応したひとつの影が女性に歩み寄る。
「どこだ?」
「ここよ!」
女性は木の根もとを指さす。
そこには6歳くらいだろうか?
少女が倒れていた。
焦っている女性とは裏腹に歩み寄ってきたリュウトと呼ばれる男性は倒れている少女をそっと抱く。
「とりあえず、俺らの家に連れていこう。アズサ」
リュウトはアズサという女性に微笑み、足早に家へと向かったー。