『いつか、君に会えるなら。』
1,双子 ~りりなside~
「あ、ミィ!」
あたし、板美りりなには双子の姉がいる。
しっかり者で優等生の素敵なお姉ちゃん。…って言っても、同級生だけど。
__みりな。
それが、姉の名前。
でも、いつからか、ミィと呼ぶようになった。
ちなみにあたしは、リィ。
あたしたちは高校生。
友達はいなかったけど、すぐに出来た。
双子って、目立つから。
いつもつるんでいるのは、のんちゃん、りゅう、しゅん、コウ、とあたしたち。
中でものんちゃんは入学式の日に話しかけてきた。すごい勇気だよね。
そういうわけで、あたしたちはいつも一緒。
高校生活、超・最高!
「あ、リィ」
ミィが振り返ってにっこり笑う。
「ミィ、のんちゃんたちは?」
「のんちゃんとコウは部活。りゅうとしゅんは、下駄箱で待ち合わせ」
りゅう、という名前にトクンと胸が鳴る。
少し前から、抱いていた気持ち。
でも、あたしは見て見ぬ振りをする。
この6人の関係を、崩したくないから…。
「リィ?なんかあった?」
気付くと、ミィが顔を覗き込んでた。
はっとして、笑顔を作る。
「あ、ごめんごめん。何にもないから」
「そう?」
ミィは相変わらず心配そうにしているが、それ以上は追求してこない。
これも、ミィのいいところだよなぁ。
そう考えるも、違う事が頭をかすめる。
……あたしって、もしかして、
__シスターコンプレックス?