解放を、ただ待ってる

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2:匿名:2016/12/13(火) 15:33


* Prologue *


「さよならなの?」

そう聞く彼女の珊瑚色の頬に、つぅー……と涙が流れた。

それは、優しい月の光に反射して、悲しいくらいに輝いた。

「うん」

僕は短く返事をして、周りを囲むビル群を見つめた。

航空障害灯が、じっと僕らを照らしている。

「ばいばい……」

彼女が、僕の手をすっと振りほどく。

僕は、彼女を見ることもできなかった。

ただただ、お互いに、泣いていた。


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