会長、嫌いです。

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3:たなか:2016/12/19(月) 22:07



「ハルセ……起きろ、ハルセ」
「ん………」

耳に響く心地よい声、布団の上から優しく体を揺すられるこの感覚。
硬い掌が、幼子にするそれのように私の前髪を掻き上げる。眉間のあたりを親指でさすられてゆっくりと瞼を開ければ、目の前にはいつも通りの御尊顔。そのサラサラ髪といいツヤツヤほっぺといい、今日も今日とてムカつくくらい綺麗だ。

しばらく夢現つでその顔に魅入っていると、「おはようねぼすけ」と額を小突かれる。

「おばさん待ってるから早く降りろよ。」
「ん……」

私がベッドからのろのろと降りるのを見送ってから、彼はいつものように私の部屋を辞す。
寝癖ぴょんぴょんにヨレヨレパジャマで寝起き全開の私に対し、彼はすでに制服をピシッと着こなしていて、隙の欠片も見せない。背中からでも漂うイケメンオーラに、思わずあっかんべをしたくなる。

ぱたん、と扉が閉じる音を背に聞いて、毎朝思うことを呟いた。


「やっぱ私、あんたの顔嫌いだわ」


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