心の魔法は瞳の奥から、

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2: きなこ :2017/01/04(水) 12:32



頬を撫でる生ぬるい風に、少し眉をひそめてしまった。

東京とやらの空気は淀んでいて、こんなところに人間はすんでいるのかと驚かされる。空中飛行も出来たものではない。よろめくのは、私の力量不足なんかじゃない筈。

「ここが、私のターゲットね 」

ゆっくりと足を地につけて、そっと箒から降りる。それからぐるりと街を見渡した。星のような光が点々とあり、夜なのに闇のひとつも見えやしない。

「変なの」

それでも私の着地した場所は、建物と建物の間だ。暗いし辛気臭いし、このような場所を好んでいるわけではないが、また誰かに見つかることもないだろう。

無いはずだった。
 


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