〜小さな駅のホーム 桜の見えるベンチ〜
彼が引っ越しすると聞いたのは、昨日の事だった。
「遠い町に引っ越すから…」それだけ言って、彼は、その日、自分の家に帰った。
そして今日、彼は旅立つ。
「今まで、ありがとな…」悲しそうに笑う彼だけは…
「…こちらこそ」見たくなかった…
いくら春だからって、いきなり引っ越しは、私には辛すぎる。
「今まで色々とあったよな〜…小さい頃にさ、二人でおつかいに行かされて、お前が、荷物持ちたいってうるさくてさ〜w」笑いながら思い出を話す彼。
「…そんな事あったっけ」そんな思い出話されたら
「…何、泣いてんだよ〜w」頭を撫でられたら
「だって…うぅ…っく…」温もりを思い出して、泣いてしまう…