え、嘘ですよね? だってあのホームページ、どう見てもファンタジーで信じられないような内容が書いてありましたよね?
そんな俺の混乱を他所に、エレベーターは六階に付く。
「遅いぞ、新人! 今日からここで働くことになると言うのに! …ご苦労だった、エス。持ち場に戻ってくれ」
「了解しました、シーミ社長。ではアレンさん、また会いましょう」
エスさんは手を振ってエレベーターに乗り、上に上がって行った。
「あ、あの…これってドッキリじゃないんですか」
耐えきれなくなり社長らしき人にそう言うと、社長らしき人はカッと目を見開いて俺を怒鳴りつけた。
「お前は馬鹿かーーッ!! す、べ、て、真実だ馬鹿!! 気付け! 察しろ!!」
いや無理です! と叫びたくなったが余計なところで変な不興は買いたくない。
黙った俺に満足したのか、社長らしき人は更に喋り始めた。
「まず、私の名前はシーミ・エルスターナ、この会社の社長だ! …さーてお前ら! お前らにはハイルグの適性がある! と言うことでここに連れて来た! お前らにはここで働いてもらうことになった! 強制で! 安心しろ、給料は保証しよう!」
と、シーミ・エルスターナと名乗る社長は、金色の艶やかな長髪と大きな碧眼をくるくると動かしながら叫んだ。
凹凸のはっきりした体は正直目に毒だ。
「お前らはハイズという、ハイルグを操れる選ばれた適正者だ! そのハイルグという武器を使ってアルズの心に巣食う光喰を倒してほしいのだ!」
唐突な用語のオンパレードに、俺達はざわついた__