連れてこられたのは空き教室。
前は音楽室だったから、比較的ここは大きい教室。
「で、ここは?」
「僕達…桜蘭の溜まり場です。」
「…ここが?暴走族って言えば屋上じゃないですか?」
素直にそう言ってみる。
だってそうじゃん?シキが読むケータイ小説は大体が屋上だよ?
「…君、桜蘭を知ってるの?」
…質問には答えず、桜庭紫苑は目を細めて睨んできた。
なるほど、シキが桜蘭を知ってるとは思ってなかったってことか。
「?この学校で桜蘭を知らない人いるんですか?寝てても耳に入ってきますよ?」
「……それもそうか。ごめん、何でもない。じゃあ入って。」
………予想は当たってそうかな。
「はーい。」