恋をしていました。
何があったって到底叶うことのないような、物凄く不毛な恋。
ああ、初っ端から夢も希望もないような出だしでしたね。すみません。
しかし残念ながら“夢も希望もない”というのは大方間違っていません。だって、私の大好きな彼と結ばれることが私にとっての夢であり希望だったのですから。
そう、これはヒーローとヒロインの波瀾万丈な恋物語ではないのです。ヒーローに恋する、ヒロインの恋敵の話。ロマンス小説に出てくる、最後にはヒーローに振られてしまうかませ犬の役柄ですね。
ですからこれは、ハッピーエンドが好きな方はあまり良い気持ちはしない話だと思います。
……あら、それでも聞いてくださるのですか。ありがとう。嬉しいです。
ならば私も、少しでも楽しんでお聞き頂けるよう頑張りますね。
さて、どこから話しましょうか____