愛しているのだ、いつまでも。

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧
2:匿名:2017/02/04(土) 20:11


ざっくりと説明いたしますと、私と彼は昔から仲の良い幼馴染でした。

ちなみに彼 ルナーフィ・アルレイドはこのスペリアム王国を統べる国王様のご長子様に当たります。

ここで、「あれ?」と疑問に思った方もいるでしょう。なぜ、たかが伯爵令嬢の私が皇太子である彼と懇意にしていたのか___それは、私が5歳、彼が6歳の頃のことです。

私が5歳、すなわち30年ほど前になりますが_____その年の春、長らく闘病生活を送っていた私の母がとうとう逝ってしまいました。まだ幼かった私の記憶の中にも、あの日のことは鮮明に焼き付いております。
何より一番苦しかったのが、父____当時のリヒャインダ伯爵でしょう。

妻を失った悲しみと、1人で我が子を育て上げなければならないプレッシャー。

当時の父は精神的にもだいぶ弱ってしまい、食事も喉を通らず日に日に痩せこけていく一方だったと言います。
このままでは本当に危ない___となったその時に、たまたま父が書類の提出のため出向いた王宮で奇跡は起こりました。
変わり果てた父の姿を偶然見かけ、事情を知った国王からこう申し出があったのです。

あなたの娘を、毎日王宮に通わせなさい。王妃教育を受けさせよう、と。

幼い頃からあまり母に甘える機会がなく、屋敷に無駄に多くある書物ばかりを相手にしてきたからでしょうか。父に連れ添って屋敷の外に出向けば、色んな人から『大人びた、賢い子だ』と言われてきました。
どうやらその噂は国王の耳にまで届いていたようで、私は皇太子のお妃候補に入れられていたそうなのです。

陛下は身分差が大きいから、とためらっていたそうですが、もうこの際だからと私に王妃教育を受けるように申し付けてくださいました。
その際、ちょうど遊びたい盛りの息子ルナーフィと歳が近いので、教育の合間に遊び相手をしてやってほしいと頼まれ、父は二つ返事で了承します。

____これが、私と彼の出会いに繋がる全ての始まりでした。


全部 次100> キーワード
名前 メモ