「…でさぁ〜まじウケるよねぇ〜」
今日も私愛音の声が教室に響く。
よし、今日もキャラが維持できてるよね。
「ふーんそうなんだぁ〜」
うん、友達の反応も予想どうり。こういう話は失敗しないからね。
「あ、今日バイトだったわ.バイバーイ‼︎」
適当に切り上げて私は帰る。あ、渋谷寄ってから帰ろ。
こんな感じでいつもと変わらない猫を被った日常が終わろうとしてた。
でも今日、あの店を見つけた。
《 パティスリー・IGA 》
こんなところにお店あったっけ?まあ、はいろっかな
カランカラーン♪ 『いらっしゃいませ〜』お店のおねーさんの声。
わあ、このケーキも美味しそう。いろいろ悩んで結局イチゴのケーキ。
口へ運ぶ。「うまっ‼︎」おもわず口に出していった。
「すいません…あのっ厨房見していただけないでしょうか⁉︎」
おねーさんびっくりしてる。でも渋々了解してくれた。
私はいろんなスイーツを研究するためいつも取材ノートを持っている。
厨房に入るとそこには男の人がいた。この人がパティシエさんかな?
話を聞くために呼んでみた。すると彼はこう言った。
「あのさ、もしかして苺野さん?」
へ?なんで私の名前知って…顔を確認するとはっきりとした大きく鋭い目、
すっと通った鼻、キュッと結んだ口、間違いない、同級生の威牙くんだった。