第96期魔物討伐α班〜政府の甘ぁいわんちゃんしてます〜

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3:かぷたいん:2017/02/08(水) 18:58

「喧嘩はやめようよ。ね?」
女々しい見た目の男が仲裁に入る。

しかし、事態が収束するわけがない。
絵に書いたような険悪に、部屋はどんよりと重苦しい空気に包まれていた。

「女に魔物討伐なんか務まるかよ。」
カノエは吐き捨てるように言った。

少女の顔はみるみる赤くなる。

「男尊女卑とか、今時ありえない!あなた随分プライドが高いみたいだけど、まさか班長になるなんて言わないわよね?あたし、認めないから!」

「そのつもりだけど。それで、認めないってお前に何ができんだよ!」

少女が何か言おうとしていたが、一人の男がそれを静止して立ち上がった。


うおっ、とカノエは思わず、驚いた。

「なんで、こんなおっさんが!?」

魔物討伐部隊は、高校卒業してすぐの若者を採用してるはずだ。

「おっさんはないだろ。まだ21なんだけど」

呆れたようにいう青年は、少々大人びてはいるが年相応の見た目の長身痩躯の男だ。


「α班には、政府の人が班長として配属されるはずだよ。」

「げぇっ!?マジかよ!」

まずはその年齢よりも、その事実が重要だ。
カノエはすっかり自分が班員を統率するつもりでいたのだから。

「しかも、大ベテランの。すごい厳しい雷親父っていう噂。」

少なくとも、ここ数年はね。と少年は付け足した。


沈黙が流れる。
それぞれが、雷親父を頭に浮かべて、嫌そうに顔を歪めた。

その時だった。

見計らったかのように扉が三度ノックが・・・


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