【失恋雨模様】[短編小説]
登場人物
雨月 美里(アマツキ ミサト)
葉月 直人(ハヅキ ナオト)
ポツリ、ポツリと雨が降ってくる
『こんな、私のことも洗い流して…』
バスの停留所に駆け込んだ彼女、美里はポツンと呟いた
『直人…なんで……直人』
先程別れを告げた彼の名前を何度も呼ぶ…が、いくら呼んでも名前の主は現れない
『ごめん、ごめんなさ…い…………これでいいのに……何で』
数十分前にあった決意の目は何処かへ、その大きな目には大粒の涙が流れる
いくら呼んでも虚しい空振りばかりで
『心と天気が繋がってるみたい』
なんて、少しおかしくいってみたり
『失恋は辛いなぁ』
ちょっと空を見上げてみたり……