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ジリリリリリリ!
目覚まし時計の音で目を覚ます。今は12時30分。
「ふぁ〜、眠っ」
ポストへ新聞とチラシを取りに行く。テレビを付けて、昼のワイドショーを見ながらトーストをかじる。−これが、俺の習慣。俺は、昔からの夢だったカフェ店員。営業は4時から。だから、遅く起きていられる。そのぶん、寝るのも遅い。
支度をして、職場へむかう。
{あ!佐々木さん!こんにちは}
「お、おう千秋。早いな」
彼女は、俺の3つ後輩、千秋。小柄でん明るい性格の彼女は、カフェの常連のなかで人気がある。
「千秋、また練習してんのか?」
{あ、はい。どうしてもラテアートが上手くできなくて}
「今日教えてやるから残ってろ」
{ありがとうございます……!}