教師と生徒

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3:アーリア:2017/03/06(月) 17:17


 私の弟は、2年前に自殺しました。そして私は知ってます。当時の担任教師が弟をいじめていたのを。






1、(森本愛羅編) 2020年 5月3日


 星川市にある巨大な私立学校。幼稚園から高等学校までが併設(同じ敷地内に幼稚園から高校まである)されているこの見香川学園は、見香川財閥の総裁が理事長を務めている。そのため、いろんな社長のご子息がこの学園に通っている。

「ねえ、あんた? 私にぶつかってきたでしょう。どうなるかわかるよね」

 今日もこの学園の中学校、1年A組のボス的存在の橋川三波(はしかわ みなみ)は、また誰かに対して、勝手な理由を付けて嫌がらせをしていた。毎日のように徒党を組み、このような行為に出ることから、橋川三波は恐らく、いろんな人間から恨まれていることだと思うが、私は特に恨んではいない。

「すみません、許してください橋川様! 」

 どうやら、不幸にも橋川にぶつかってしまった子が謝り始めたようだ。

 その子の今の状態を見て、私も可哀想だとは思う。私だって頭から水を掛けられたら嫌なのは同じである。その子は、橋川三波にぶつかったことでこうなったのだ。でも私はその子に慰めの言葉を掛けるつもりは無い。今私の頭にあるのはただ1つ、牟方への復讐しかないから。だから、他の子のことに構っている暇など無いのだ。

「おい、座れ。諸連絡の時間だ」

 少し時間が経ち、担任の坂村学が教室に入ってきた。坂村はまだ25歳だが、他の教師とは雰囲気が違う。私は弟の一件で『教師』と言う存在そのものが嫌いだが、坂村は『いじめは駄目』とか『みんな平等』『命はかけがえの無い物』とか教師の決まり文句を言わず、逆に先日の人権の授業では『命は、写真よりも安い』と問題発言までしたぐらいだ。私は『命はかけがえの無い物』とか言うと思っていたものだから、『なら誰も自殺しない世界を作ってよ』と文句を言おうと思っていたのに・・・・・・。少なくても、坂村は綺麗事を言うだけの人物ではないようだ。
 寧ろ人として最低な部類に入るのかも。

「では、今日は社会科の補習があるから点数の悪い奴は残れよ。・・・・・・全く、祖国の歴史すら学ばないとは! 君らは日本人か! 」

 とにかく、坂村の言動はかなり気になる物でった。


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