#.001
「前川ぁ、俺もうどうしよう」
お昼の締めにと買ったいちごみるくに
ストローを差していると、前の席の椅子に
どかんと少し乱暴に浅田が座ってきた。
机に突っ伏して、何か唸っている。
「前川聞いてよ」
「今度はなに」
「……連絡先、げっとしました」
ずずーっといちごみるくを吸う。
どろどろと甘い。
浅田はわたしの友達の笠原が好きらしく、
わたしと笠原が仲が良いからか、中学からの腐れ縁で話しやすいからか、多分両方だと
思うが、こうして相談を持ちかけてくるのだ。
「それで、何かあったの」
半ばため息交じりに聞くと、待ってましたとばかりに泣き付かれた。