「メールで何話せばいいかわかんねえ!」
浅田の声がでかいため、クラスメイトは
またか、前川も大変だなという風に苦笑している。注目されるのはあまり得意じゃない。
うわあ、と短い髪を自分でわしわししながら
机に額を押し付けている浅田のつむじを
押すと、痛ぇ!と睨まれた。
睨みたいのはこっちだ、バカ。
「遊びにでも誘えば?」
「それってあからさますぎねえ?」
そんなの知らないよ。
そもそも恋愛経験が少ないわたしに聞くのが間違っていると思う。
顔に出ていたのか、浅田が表情を顰めた。