虹の写生文は挫折しました。
↓新作
さきだれ
指は、マハーポーシャを買いにいく。いいお天気。
ユックリスが来て言いました。
「優しいカニバリズム。パクパク」
指はにっこり笑って、ユックリスから逃げ始めます。
ふわふわさんが言いました。
「おやおや、マハーポーシャはどうしたんだい?」
「ふわふわさん。それどころじゃないんだよ」
指の通った後から、ぽん、ぽん、と、スッタカタッタカが産まれて、目を探し始めます。
スッタカタッタカの群れは、ユックリスを邪魔します。
とうとうユックリスは、スッタカタッタカに飲み込まれて、消化されてしまいました。
さらに、消化されて、スッタカタッタカたちの目になりました。
だから、もう、スッタカタッタカは、ユックリスを邪魔しません。
ふわふわさんが言いました。
「よかったね。もふもふ〜」
「もふもふ〜」
さあて、指は、いよいよマハーポーシャを買いに行きます。指は、
「ちょんちょんちょんちょん。三拍子。はっ!はっ!三拍子。サンビョウシソロッテマス」
と、言いました。
電気屋さんで、ウナギの見見見見見さんが、大きな口を開けて、
「この中に、マハーポーシャがあるよ」
と言いました。
指はお礼を言って、その中に入りました。のどに抱きつくと、それがロープのようにぐいいいいいいんんと下に降りて行きます。
どんどん下りていくと、下から上がってくる自分が見えました。
「鏡を見ているみたいだ」
と指は言いました。
指が、下から上がってくる自分にタッチをすると、何かがぽんっと弾け、気がつけば自分の家にいて、マハーポーシャが机の上に置いてあるのでした。
マハーポーシャを起動すると、
「ポップコーンを食べてください」
というのが出たので、いう通りにすると、指はマハーポーシャの中に吸い込まれてしまいました。
静かになった、だれもいない、指の部屋。
しばらくして、その部屋の中に、ウナギの見見見見見さんがきて、マハーポーシャをあの大きな口で飲み込んで、
それから帰って行きました。
再び、静かになった、だれもいない、指の部屋。
一年後、この部屋に、ヒュッヒュヒュッヒュさんが住み始めました。
ふわふわさんが、ヒュッヒュヒュッヒュさんに何か言いました。
だけど、ヒュッヒュヒュッヒュさんは、耳に粘土を詰めていたので、聞こえませんでした。