人は常に何かを踏みにじって生きている。
だから、私も同じ人間だよね。ただ普通ではないだけで、少しだけ特別な例としてあげられるくらいだよね。
「ねえママ…」
「なあに?色美(しきみ)」
「ママは、色を盗み喰って悪いことしてるって思わないの?」
「…ッ!」
「ねえママ、答えてよ。」
「色美、ママは…」
「ママも、分からないの?」
今思えばそんなの母がわかるはずがなかった。私も母も同じだから。人から色を盗み喰うことは、人からモノを盗むのと同じであり、犯罪であるという考えの私は死にたいくらい。
え、死にたいくらい…
死にたいくらい…なんなの?
死にたいくらい…嫌なの?
それとも、逃げたいだけ?
どちらにしても最悪なことには変わりはない。
そんなことなら
「生まれてこなきゃよかったッッ!!」
そう、心から思った。なのに…