その日から、悪夢ばかり見るようになった。 悪魔がいたずらで見せているのだろう。 起きている間にも、狂気じみた白昼夢のようなものを 見るようになった。 日々幻想は酷くなり、やがて夢も現実も区別がつかなくなった。 「悪魔を持つことは、こんなにも大変なことだったのか」 だけど、これで、あの知り合いも救われているのだ。 「セトは善人だ。ただ、それだけのことだ。そして、それは紛れもなく善いことなのだ」 自分に言い聞かせた。