女神、ヴィラの神話が特に好きだ。 「全く、皇女様は…!」 シーアのお説教マシンガンは止まらない。 「シーア、五月蝿い!」 書物をパッと読み、片付ける。 口をあんぐりと開けた、シーアをほっぽって、ユラルは部屋を出た。 「あーあ、街に出たいわぁ」 そうだ、と、ユラルは思い付いた。 フード付きのコートをまとい、ソッと城を抜け出そうとする。 門兵が、ユラルの首根っこを掴まえる。 「皇女様、ダメですよ」 「もぅ!」 ユラルは、プウッと頬を膨らませた。