「すげえなあ……三地区の異能者全員が集められたとは聞いてたけど。」
"異能者"。この世界において、絶対的存在として恐れられる者たちである。時に西暦456X年。いつとも知れず科学技術が衰退していった地球で、人類の一部は思いがけぬ進化を遂げる事となった。空想や魔法の世界じみた、常人ならざる力"異能"を得たのである。灼熱の炎、怒濤の水、荒れ狂う風など自然を操る者はもちろん、空間変動や重力変動、瞬間移動に空中浮遊、時間操作や因果律操作、歴史改変や精神汚染に至るまで、ありとあらゆる力を持つ"異能"は神のごとき全能と讃えられた。そして実際に異能者の中には、魔力や霊力が存在し善悪双方の神々や霊的存在が住まう"異世界"へ到達し、それら人ならざる超存在とコンタクトした者さえ現れた。無論、これら超存在との契約を交わし更に力を増した異能者が現れたのは言うまでもない