……ドロシーは、この冒険で、何を学んだんだっけ。
内容がうろ覚えだけど、確か、仲間と力を合わせることを学んだと言ってもいいだろうね。
そして、困難を乗り越えて、悪い魔女を倒して、最終的に、魔法の靴でカンザスに帰る。
これは、「生きる練習」をした、と言えるんじゃない。ゲームでいう、チュートリアルの感覚ね。
小説って、人生のチュートリアルなのかなあ。
ねえ、断定は危険だけど、結構いいセンいってる説じゃない?
「ハムレット」みたいな人生を送るのはたまらないけど、「ハムレット」を見たり演じたりするのは、
楽しかったりする。それってさ、チュートリアルみたいな安心感から来ている、と言っても、
いいんじゃないかと思うんだよなあ。
「こんな人生もありますよ」っていう。
そういえば、「ハムレット」の中に、演劇とは人生の鏡だ、というセリフがあるけど、
人は鏡で客観的に自分を見て、髪型を直したりするように、
演劇を見て、人生について反省することができる。それはいいことだ。語るに値することだ。うん、うん。
え?分かりにくい?ああ、僕自身何言ったかよくわかってないな。あはははは!
だからね、その、科学でいう実験みたいなものだよね。
SFとは、思考実験だ、という安部公房の言葉があるけど、もっと広い意味で、小説とは人生の実験だよ。
いやでも、そうじゃない小説だっていろいろあるな…。うーん(冷めたコーヒーを飲み干す)。