第1話「すべては嫌われるためにやった…はずだった」
私の名前は鈴森 しおり。
ごくごく普通の平凡な日常を送っている、女子中学生(正確に言うと中学3年生)。
恋愛とかにはあんま興味はなくて、比較的男子とはあまり関わりを持たない。
…というよりも、男子は苦手だから、私から進んで話しかけたりしない……って感じかな。
さて、自己紹介はここまでにして…。
私は今、学校の教室で好きなアニメキャラの絵を描いて過ごしている。
休み時間とかお昼休みには、絵を描くことが多いんだよな〜。
もちろん、今は休み時間。授業中に絵なんか描いてたら、先生にこっぴどく叱られるからね…。
しおり「(よし、やっと首まで描けたぞ!
でもこのアニメキャラ、服装を描くのが難しいんだよね…)」
そんなことを思いながら、私は淡々と絵を描き続けていた。
その時、ちょうど友達の星井 あやねちゃんが話しかけてきた。
あやね「やっほ〜しおりちゃんっ!なにしてるの?」
しおり「あ、あやねちゃん。今ね、アニメキャラの絵描いてたんだ〜。まだ途中だけどね。」
と言って、私は書き途中のアニメキャラの絵をあやねちゃんに見せた。
あやね「そうなんだあ〜!しおりちゃんの絵、上手だねっ!
あやねもそんな風に絵が描けたらなあ〜…」
しおり「ありがとう。あやねちゃんならきっと描けるよ。」
あやね「えへへ!こちらこそありがとっ!」
あやねちゃんはにこり、と柔らかく微笑んだ。
…はあ。これだけなら、あやねちゃんは普通に優しくていい子なんだけどなあ…。