この高校に入学してから約半年が経とうとしていた。
学校は簡単すぎて退屈だし、部活もやりたいものがない。
委員会活動も面倒だからやりたくない。
とにかく学校は俺にとって時間の無駄でしかなかった。
「知ってるか?第二理科室の噂」
「おう!この間もテニス部の部長が解決してもらったって言ってたぜ」
「じゃああの噂は本当なんだなー!」
「あの噂って?」
後ろの席で数人の男子が井戸端会議をしている。
俺はそこで、第二理科室の噂を小耳に挟んだんだ。
「旧校舎の使われてない第二理科室。そこに行けば、どんな無理難題でも解決してくれるらしいぜ」
くだらない。
どうせ化学部や天文気象部の宣伝だろ。
俺はそんな噂を誰に向けるでもなく、心の中で一蹴した。