…また喧嘩してる
リビングにはお互い怒鳴りあっている両親の姿があった。
今日は…私の誕生日なのに…
忘れてるの…?私の誕生日…今日で13歳になったのに…
昔は、朝起きてリビングに行くとそこにはお母さんとお父さんがいて「誕生日、おめでとう」っていつも祝ってくれた。夜はお母さんの手作りのケーキを家族みんなで食べていたのに。
心の中でブツブツ言っていてもお母さんとお父さんには聞こえない…。
食卓に目を移すと食パンとサラダとホットミルクが用意されてるのに気づいた。
食卓に行き近くにあった椅子に腰を下ろす。よく見ると食パンはちょっと焦げていた。
「いただきます。」
誰にも聞こえてないのはわかってるけど言う癖が付いていた。
食パンを口に挟む。…硬い。サラダには今日に限って好きなトマトが入っていない。いつも入ってるのに…
ホットミルクはもう冷めていて普通のミルクになっていた。
…今日は最悪の誕生日…
ご飯を食べ終えてもまだ両親の言い合いは続いている。
そんな両親を眺めながら髪を整え、歯磨きをし、中学校の制服に着替える。
まだ、中学生になったばかりで中学校にはまだあまり馴染めずにいる。
「行ってきます。」
…「行ってらっしゃい」ってそれぐらい言って欲しかった。リビングを見るとまだ喧嘩している。
諦めて私はドアを閉じた。
その瞬間涙が出てきた…。
やっぱり今日は最悪…最悪の誕生日。