人狼GAME

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4:魔法少女☆アヤノ◆7Q:2017/09/04(月) 17:51



「……っと。今日はここまでかな……」
 一人しか居ない僕の部屋で、独り言というヤツを呟く。皆にそれを伝えるべく、僕はキーボードに手を置いた。

まふ:今日はここまでにします〜。
ペイン:乙―。オレも落ち
つばさ:ペインさんまふさんお疲れ!
しお:乙。私はあと一回やって落ちるわ。
上野東京ライン:も一回やる奴、点呼―
キャベツ:ノ お疲れ!
つばさ:ノ(*^▽^*)
まふ:じゃあ……落ちますねww

「ふう……疲れた」
 溜息をつき、ノートパソコンを閉じる。僕は結城真冬、やや不登校気味の五年生だ。
 そんな僕がハマっている事。それは……  「人狼ゲーム」  だ。
 人狼ゲームは人狼陣営、村人陣営、妖狐陣営に分かれて、人狼と妖狐を探し、追放するゲームだ。人狼陣営は自分が人狼だとばれない様に、村人陣営と妖狐陣営を噛む……。妖狐はばれない様にしながら生き残れば勝ち。
 最初の方は難しくて……ルールすら覚えられなくて、苦戦したけど、今はもう大丈夫。
 上級者は無理かもしれないけど、中上級くらいなら来たし。

「明日も……人狼……やろっかな……」

 そう言って僕は、ベッドに潜り込んだ。



「ふぁぁ………」
「……おはよ、兄ちゃん。大丈夫?」
 優しく声をかけてきたのは、弟のフユト。何故か兄弟揃って冬が付く。
「フユト……大丈夫。心配いらないよ」
「ホント? 兄ちゃん最近やけに疲れてない?」
「だっ……大丈夫だから、うん。心配ありがとうね」
「大丈夫なら良いんだけど……何かあったら言ってね?」
 僕の弟は僕と違ってこういう優しさがある。
「うん、ありがとう……じゃあ、フユト学校でしょ? 行ってきて良いよ。僕もそんな病気なんじゃないし……」
「あっ、ホントだ、時間! じゃあね、兄ちゃん!」
 無邪気に笑い、手を振って家を出ていく。僕はしばらく経ってからドアの方へ行き、鍵を閉めた。
 今日は両親が朝から居ない。いつもは母が居るのだが、今日は朝から仕事が入ったそうだ。土曜日なのに。
弟も今日は学校がある。まぁ僕は不登校だから……知ったこっちゃない。

 僕は一回のカギが全部閉まっているのを確認して、二階の自分の部屋に行った。
 扉を開けた瞬間、一日中付けているからか、冷房が寒いくらい効いていたので、冷たい風がフアっと出てきた。そして、僕の長い髪の毛を揺らした。

「今日も人狼……やろっかな……」
 本当は勉強しなきゃいけないんだけどね……。まぁ成績は危なくないから大丈夫か……。
 そう思いながらも、僕の手は勝手に、人狼サイトへアクセスしていた。

「っと。初中級者専用村……此処にするかっ……。…付いて行けるかな…?」

僕はこの後この村に入ったことが、不幸を呼ぶことになるなんて、知らなかった……。


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