1 はぁ……はぁ……。 真っ黒な夜道の中ぼんやり光る街灯の下で、少女が倒れ込んでいた。 セーラー服に包まれた身体は複数の痣が見られる。 なんで……私がこんな目にっ……! 少女は傷ついた身体をどうにか反転させると、自分が来た方向を見つめた。 また追ってくる……! 少女の小さな身体が震えた 長い前髪の下から覗く整った顔からは恐怖が滲み出ている。 逃げ……られ……ない……。 暗闇の中に悲鳴が響いた。