プロローグ 昔々、どこかの町の小さな家。父親がおらず病気がちの母親と仲の良い兄妹が住んでいた。兄は妹を溺愛しており、常に妹の行動を把握しないと気が済まない性分だった。 そんなある日、寝室の床にうつ伏せに横たわる妹の姿が。背中には包丁が刺されていて呼吸は止まっている。今まで妹の為だけに人生を捧げてきたような兄が、急に捧げるべき人を失うとどうなるのか。 殺される一日前の話をしよう。