つぎの日
「みんな席につけー授業を始めるぞ!早速昨日のテストを返すがどれも散々な結果だった。お前ら本当に受験生になる自覚はあるのか!?でもこの中でただ1人高得点を上げた者がいる。」
「どうせまた雪乃でしょー?いっつもそうじゃん」
よかった…自信なかったけど案外出来てたんだ。
「2位に10点以上差をつけてトップだったのは──」
「小山千春」
───────え!?
!!?
「え…わた…し…?」
「難しい問題だったのによくやったな!みんな小山に拍手っ!」
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ
「すごいじゃん千春!見直したよ!」
「ちょっとあんたいつの間に!」
…………………どういうこと?
なんで千春が!?
「だからあ偶然だって偶然!たまたま予習してたところがテストに出ただけだよ、じゃなきゃ私がトップなんて取れるわけないじゃん、ねっ雪乃!」
「………そんなことない、偶然やまぐれでトップが取れるわけない、おめでとう千春、良かったね」
「雪乃…」
ズキン
「!?」
何…?胸がズキズキする
「………………?」
この日をきっかけに…千春は真面目に勉強するようになる
「じゃあここはこの公式を使えばいいの?」
「ええそうよ」
「すごいね千春。頑張ってる〜!」
「でも部活もちゃんと出てるらしいよ」
今までが嘘のように勉強に集中する毎日
学んだことをどんどん吸収し千春の成績は右肩上がりに上がっていった。
その一方私は──…
「今日の小テスト返すぞー」
64点…
キーンコーンカーンコーン
「柊ちょっといいか?…どうしたんだ一体、小テストとはいえあんな点数お前らしくないぞ。なにか悩みでもあるのか?」
「……………」
ギュッ
言えない。
自分の勉強に集中できないなんて
どんどん上がる千春の成績に焦ってるなんて───
「とにかく…今のままじゃ落ち込む一方だぞ。友達だったらもう少し小山の頑張りを見習ったらどうだ」
─────な…
「ねぇ千春ここがわからないんだけど教えてくれる?」
「千春の教え方ってわかりやすいから助かるよ」
「本当千春すごいよねっ」
「………っ」
何よ
みんな千春千春って───
千春に勉強を教えたのは私なのに
私のおかげなのに!!