>>4 プロローグ☆
朝
いつもなら、のんびりでおっとりな私のクラスの担任・佐々木先生がドタバタしながら教室へ入ってきた。
先生の後ろには何故か女の子がいて、重い足取りで教室に入ってくる。
その女の子は、制服の袖で涙を拭いていた。
なっ泣いてる!?何があったんだろう……。
クラスの皆もそれに気付き、ざわめきが起こる。
と、先生が言う。
「……皆さん、今から花園さんからお話があります。大事な話です。よく聞いて下さい……」
そして女の子……花園さんが、徐(おもむろ)に口を開いた。
「私は、生徒会の書記係の花園碧(はなぞのみどり)と言います……。実は、昨日考え、まとめたばかりの大事な資料がなくなったんです」
大事な……資料?
「昨日生徒会メンバーで考えた、ある案を、皆が帰った後、生徒会室で私が紙に書いてまとめておいたんです。それで、生徒会室のボックスに入れて、明日メンバーに見せようと思って……それで、今さっき、生徒会室のボックスを見たら……なくて……。私のせいなのは分かってます……私の責任です……でも……」
そこでわぁっと花園さんは泣きだした。
佐々木先生がそばに来て、背中をさすっている。
クラスの皆は、私も含め、どうすればいいか分からなかった。
数分経ち、花園さんが落ち着くと、佐々木先生が言った。
「生徒会のメンバーが資料に気付いて持っていった可能性もありますし、誰かが盗んだ可能性も……あるかもしれません。何かこころあたりがある人は、小さなことでもすぐ先生に言いに来てくださいね。……花園さん、行きましょうか」
先生はばーっと説明し、花園さんと一緒に隣のクラスへ行ってしまった。
きっと、全クラスに報告しに行くのかな。
ん、なんか、犯人捜しみたい!
なんだろう!解決できる気がするっ!
……そうだよ。
解決、しちゃえばいいんだ‼
解決して、花園さんの悲しみや悔しさを、晴らしてあげよう‼