自由を手にしたつもりが色々と巻き込まれた

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3:アーリア:2017/12/07(木) 21:57

 
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 俺の生まれた国は大ハイデルン王国。列強国の二番手に当たるらしい。
 そして俺が家出をしてから3年間から世話になっているこの国は、リベラール合州国という。つい15年前に独立したという新しい国である。15年前というと、俺は21歳であるから単純計算で6歳の時にこの国は誕生したことになる。今後どのようになって行くか、色々と夢のある国であるが、決して大国と呼べるものでは無かった。
 俺は3年前にここへ移民として来たわけだが、最初は炭鉱の下働きとして生活していた。
 そして俺の生活は3年で、大きな変動をもたらした。
 と言うのは、炭鉱の下働きをしながら、毎月の給料日には決まって問屋に赴き、くそ安い給料の半分をつぎ込み、毎回同じ会社の株券をこつこつと買っていた。それを2年も続けていたところ、どうもその会社の株の価値が急騰し、俺は今まで買った分の株を全部売り払いかなりの大金を手にしたのである。
 で、その金でそこそこ広い土地を買った。ざっと400坪くらいだろうか? まあ、無知なる俺ができるだけ広くて安く買える土地を買いたいと土地販売業者に掛け合ったところ、この土地を紹介されて、持っていた金のほとんどを使い果たして、買ったのである。
 場所は未だ未開拓地と比喩される西プライン州の南方の村である。その村はほとんどが原住民で構成される村で、農業を生業とする部族である。その土地が安い理由は、都市部とはかなり離れており、村と言っても原住民部族で構成される村であることが考えられる。結局、その土地を購入して、とりあえず、その村へ移住することになった。
 そしてその土地を今度は原住民に安く貸すということになったのだ。毎月6万といったところである。6万と言うと調度俺が炭鉱の下働きをしていた時の給料の4分の3だ。400坪で6万と言うのは残念かもしれないが、原住民に格安で貸すことにした。また6万の中から俺が住まう家賃やまた、税金を含めて1万を控除されるので手取りは5万である。
 ところで、彼ら原住民達はその土地をどうやら農地として使うらしい。
 まあ、農業が生業なら農地を増やすのが得策なのかもしれないが、400坪と言うとどれ程の生産高なのかも俺は知らなん。原住民には黒字になってもらうよう願うだけである。
 こうして俺は炭鉱の下働きから一転して、とてもしょぼいが、地主へとなったのだ。
 変動をもたらしただろ?


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