【1話 終末論】
美しく晴れ渡った空にこそ、腹が立つ。
それは、ただ彼女の性格がひねくれているからだろう。
掛け布団ごとベッドから転がり落ちて、どうにもやる気を出してくれない体に無理やり言うことを聞かせ、布団にくるまりながらも一応は座った。
重い瞼の片方をなんとかうっすら開き、リモコンを探しあて、テレビをつける。
バラエティーを織り混ぜ、面白おかしく情報を伝えるニュース番組では、偏見だが大体<世界が終わる的な予言>が年の始めにあるものだ。適当につけたその番組でも、丁度その話題をやっていた。
『もう今年のうちに世界が終わる可能性は、99%です。』
画面の向こうでそう語る彼は、今まで地震なんかを予言してきたらしい。
馬鹿らしい、心の中でまでカッコつけてそう思った。けれど、少しは不安という気持ちも残っていたようで、頭の中を世界が終わるとしたらの妄想が始まる。
どうなるんだろう。世界が終わるそのとき、自分や周りの人はどうしているんだろうか。
泣きわめいてるかもしれない、やっと世界が終わる!と喜んでいる人もいるかも。もしかしたら、何も考えずにいつもとおんなじように過ごしているのだろうか。
曖昧な終末論には、いつも悩まされてばかりだ。