(3)
早朝、梨絵は水平学園の外を散歩していた。
「あの人・・・・・・何をしているんだろう」
梨絵が前方を見ると、スーツ姿の男性が『ゴミ置き場』を漁っているのである。やっている行動は明らかに不審者だ。しかも、その男性の横には、さらにスーツ姿の男が2人立っている。
「ま、まあ触らぬ神に祟りなしだし・・・・・・別に良いか」
梨絵はその男性たちをスルーして学校へと戻ったのであった。
※
「さて、一応、この区画も適量の生ゴミが出されているようだ。次に行くぞ」
梨絵が去った後、そう言って男性3人も去っていった。そして、その姿を1人の警官が見ていたが、この警官も特に咎めることはしなかった。
「朝からご苦労さんだな・・・・・・・」
と、言ったのみである。
そして、その警官から少し離れたところで、今度は別のスーツ姿の男2人組みが居た。
「さて、水平学園の理事長をどうしたもんかね・・・・・・」
「令状が無ければ監視以外、何もできませんけど」
「ああ、それなら、今、証拠を作ったから裁判所へ言って令状を貰いに行くぞ」
と言って、2人も去って行った。
水平学園の周囲では次第にキナ臭さが漂ってきていたのであった。