キミ色に染まった世界で恋する

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10:相原梨子◆x.:2018/01/09(火) 19:17

ー第2話ー

一体、この子何なの!?
その男の子はリビングにも行かず、二階へ上がり、ひとつの部屋へ案内したんだ。

「ここが俺の部屋。入って」

言われるがままに入った部屋。
男の子の部屋って、来雅の部屋以外入ったことなかったけど…。
ちゃんと整理整頓されてる男の子の部屋って、素敵…。

「俺のこと…。俺は、桜庭涼って名前なんだ。キミは?」

「わ、私は…。って、どうしてあなたに言わなきゃならないの。ここに連れてこられたのとか、意味分からないんですけど!」

ホントだよね。
急に案内してきてさ。
もしかして、ナンパだったり!?
離れた方がいいね…。

「俺は、キミのこと知ってるよ。ずっと前から」

「何言ってるの?私はあなたのこと全然知らないし、聞いたことも…」

いや『全然』じゃないかも。
私、ずーっと前におばあちゃん家来た時も、この子が回覧板を渡しに来た。
その時、何となくピンとしたんだ。
アルバムで見たことあるって思った。
ただめちゃめちゃ似てる、だけ?

「キミの名前は、詩神美海ちゃん。当たってるでしょ?」

何で、この子は私のこと知ってるの?
おばあちゃん(怖い)の力?
パパの力?
それとも、この子ストーカー!?!?

「私、ここに来る意味ないので、帰りますからっ!」

部屋を飛び出して家を出る。
その時、落としてしまったんだ。
おばあちゃん(優しい)の家と、私の家の場所に赤丸が打ってある地図を。


昨日あったことを瑠夏に相談する。
とりあえず、話せば何かなるかも!
そう思ったけど、瑠夏は騒ぎ立てる。

「ちゃんとした答え待ってるの。落ち着いて落ち着いて」

瑠夏は、その…涼くんがちょっとイライラしちゃうみたいで、さっきから暴走気味なんだよね。

「おいおい。瑠夏のペースに落ち着いてる冷静な詩神さんも着いてけねーぞ、瑠夏っ!」

瑠夏の頭をポカッとやったのは、クラスメイトの大杉くん。
クラスの中でも中心の子で、ワイワイしてる子らしいけど…。

「そんなことないよね、美海っ!」

「う、うん。そんなことないない!」


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