部活、選ばなきゃな…。
瑠夏といろんな部室を行ったり来たり繰り返している。
すると、ちょうどサッカー部の辺りで声が上がった。
「来雅くん推薦入部なんだってね。美海の周りは本当にすごい人ばっかり」
ある意味すごい人もいるけどね。
来雅とかは、エースだし、モテるからすごいよね。
「キャアアアッ」
サッカー部でも声が上がっていたけど、次は校門辺りで黄色い声が。
そんなに魅力的な男の子?
女の子って、大変。
そう思いながら瑠夏と中部活を見学しに行こうとすると…。
「ねえ、美海」
「どうしてここにいるの!?私、あなたに教えてないよね。住所とか」
涼くんが来るなんて、聞いてないんだけど…っ!
瑠夏に耳打ちする。
「この子が涼くんだよ」って。
「おい、お前。美海にナンパしたらしいな。迷惑だよっ!」
瑠夏が涼くんに怒ってる。
私なんかのために…。
ナンパと聞いて周りがざわつく。
「他校の生徒は入ってはいけない決まりだ。詩神、外へ」
担任の生徒がサッカー部の顧問だったので、その騒ぎにいち早く駆けつけてくる。
なんかかわいそうな感じがしてきたんだけど…、涼くんが。
「涼くん」
ふたりで校外へ出る。
どうして来たの…、ホント。
涼くんを振り返る。
「ねえ、何で来たの!?学校にまで来るとか、めちゃめちゃ迷惑だよっ!」
間違ってないよね?
だって、ちょっと会っただけなのに、ここまで来ないでよ…。