キミ色に染まった世界で恋する

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4:相原梨子◆x.:2018/01/09(火) 14:23

パパが帰ってきて、ママのことをパパに伝えた。
おばあちゃんはすぐ納得。
ママは和泉家…結婚する前の産まれた家に帰ってしまった。
離婚じゃなくて、別居状態。
生き抜くために。

「悲しかったな、美海。お母さんはママにあんまり会うなって言ってるんだろ?パパがいるから大丈夫」

そう、だよね。
ママがいなくても、パパがいるから大丈夫だよね、きっと。

「こんなことを言ったけど、パパ、休みが取れないんだ。明日もひとりになっちゃう。大丈夫そうか?」

「うん、大丈夫だよ。宿題とかあるから、やらなきゃだし」

これでいいんだ。
考えすぎると、泣きそうだし。
ママが決めたことだし、ママが幸せになるためなんだもん。

「おやすみなさい、パパ」

「ねえ、美海」

パパに呼ばれて振り返る。
優しい目で微笑んで、首を横に振る。

「おやすみ。美海」


ザーザーと降る雨。
別館の、一番狭い部屋へ入る。
私が外した小窓、直って良かった。
小窓を開けて、隣の家を盗み見る。
…あ、来雅勉強している!

「美海?」

「そうだよ!おはよう、来雅!」

来雅は、私の幼なじみ。
本名は冴橋来雅。
隣の家で、別館の一番狭いこの部屋のちょっと上が来雅の部屋。

「来雅の家さ、お母さん今いる?」

来雅は首を横に振る。
じゃあ、来てよ。
ちょっとひとりは寂しいから。
来雅を本館に呼んだ。
なぜか、来雅のお母さんは私のことが嫌いみたいで、関わると叱られるの。
だけどいいよね。
唯一、ひとりの幼なじみだもん!

「美海ー、来たぞー」

「来雅!」

もう来たんだ。
さすが、来雅だね。
来雅の好きな紅茶を出して、広いリビングの机の上に宿題を広げる。

「宿題やってたんでしょ?教えて!」

「ああ」

来雅は頭が良いから、宿題とかも難なくやっちゃう。
そんな来雅に比べると、私って全然出来ないんだけど…。

「おーい、美海」

「あ、ごめんごめん」

私は、紅茶の乗ったお盆を持ってキッチンからリビングへ向かった。


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