キミ色に染まった世界で恋する

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9:相原梨子◆x.:2018/01/09(火) 18:11

ママが住んでいるところは、ママのママの家。
つまり、おばあちゃんの家。
怖い詩神家じゃなくて、優しい和泉家の方のおばあちゃん。
温度差が激しいんだよね、ホント。

「おばさん、回覧板!」

ママに回覧板を渡す男の子。
その子は、一瞬こちらを見て口を紡いだ。
私にヘンな反応する!
ずーっと前、来雅と来た時もそう。
回覧板を渡しに来た男の子。
不思議な反応をしていたんだよね。

「何か、用ですか?」

「いやいや。何でもないよ。ごめん」

その子は、身をひるがえして隣の家に帰ってしまった。
どうして謝ってきたんだろう。
うーむ、気になるな。

「それより、美海。お願い聞いてくれるために来てくれたんでしょう?ありがとう、美海。正直なところ、美海なら来てくれるって思ってたから」

ママに信頼されてるかも…。
ふふふ、良かった。
…それより、お願いって何?
ママに尋ねる。

「佐江子さんに、このお手紙を渡してほしいの。中は絶対に見ちゃダメ。佐江子さんに渡すだけよ」

「そんなことなの?」

ママはにっこり笑う。
なんか、ヘン。
絶対ウソついてる!
ホントは何かしてほしいんじゃ…。

「ママ、何でもするよ。私、ママのためなら何でも出来る」

ママはちょっと涙を流して微笑む。
そして、家の中に入っていった。
私を家に上げる素振りはなかった…。
おばあちゃんも…。

「ねえ、キミ」

へっ?
不思議な男の子だった。
クスッと笑ったその子は、私の手を掴んでおばあちゃん家の横の家。
つまり、その男の子の家へ私を連れていったのだ。


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