声がしてすぐ、入り口のドアが開いてゲームの天使を思わせる羽をもった女性が来た。その瞬間俺は気づいた。
ここは異世界だ。
「お、お前誰だ?」
「申し遅れました。私はこのマナリエール神殿の管理人のヴァルナと申します。」
「まなりえーるしんでん?」
「はい、ここは伝説に選ばれた者が召喚される神殿です。」
「は?俺がその伝説に選ばれたのか!?」
「はい。」
この無愛想め…
「ではまずは地上へ行きましょう。」
そうしてヴァルナと共に階段を登っていく。その途中、舞花に耳打ちした。
「おい、ここ異世界だぞ。」
「え!?」
「ああ、とりあえず名前は異世界だからカタカナにしてマイキとマイカな。OK?」
「うん。」
と、ちょうど話が終わったところで地上に着いた。
「ではまず、登録をしましょう。」
『登録?』
「はい。と言ってもここに両手をかざしていただくだけです。」
「あ、これか。」
そして俺、ついでマイカも登録の機械に両手をかざした。
「はい、二人のパスができました。」
「なんだこれ?」
「こちらはこの世界の身分証明書です。リアルタイムであなたがたのレベルや称号が写し出されます。ほら。」
そうして俺は自分のパスを見た。
<マイキ Lv.42
称号:未来の伝説の勇者
スキル:なし>
『よっ、42レベル!?』
ってなんかヴァルナまで驚いてやがる…
「このマナリエール市では高くてLv.20ですから。ってマイカ様もLv.38!?」
俺もマイカのパスを見てみた。
<マイカ Lv.38
称号:未来の伝説の魔法使い
スキル:なし>
と、ここで疑問を投げかけた。
「あの、この水晶はなんですか?」
「こちらはマイキ様の持っているのが勇者の水晶、マイカ様の持っているのが魔法使いの水晶です。これを持った者が伝説となります。では次は旅にでましょう。聞かれる前になんで旅に出るか話しておくと、最後の水晶を探す旅です。」
『最後の水晶?』
「はい、竜王の水晶です。竜王の水晶は格別の強さを持ちつつも、所在がわからないのです。そして、3つの水晶が集まる時…」
『…集まる時?』
「…何かが起こります。」
『何かって何だよ!』
「まあ、では旅の用意をしましょう。まずは仲間を増やしましょう。では奴隷マーケットへ行きましょう。」
『奴隷マーケット?』
「はい、この世界には奴隷制度があり、各市で一定以上の強さの者が奴隷の主人となる権利を得ます。ちなみにこの市ではLv.15以上が規定ですからあなたがたなら問題ありません。では着いたら二人合わせて3、4人の仲間を集めてください。ただ強さは今回はあまり気にしなくていいです。」
『ほう…』
そして10分程歩くと…
「はい、着きました。」
「結構いっぱいいる!」
「思ったんだけど、マイカって可愛いよな。」
「え!?そ、そんなことよりじゃあ一度別のところで見て仲間を選んでここ集合で。」
「じゃあ私はここで待っていますね。」
そうしてマイカは西側、俺は東側のエリアに行った。
「おっと、そこの奴隷探してるっぽいやつ!」
「俺?」
「ああ、ここだよ。もしかして奴隷持つの初めてか?」
「はい。」
「じゃあパス見して。」
俺はパスを見せた。
「Lv.40超え!?じゃあもう自由に見てって!」
「ありがとうございます。」
そういって建物の中を散策する。
って言ってもどんなやつがいいかな?
その時、奴隷の一人である俺と同い年くらいの女の子が俺の腕に捕まってきた。
「はじめまして、ご主人サマ♪」
「は?」