始まり
昼休み
「雛美って本当にドヂだねぇ〜」私を嘲笑うかのように桜と響が言った。「ごめん…」私はこれしか言うことが出来ない。
弱虫だから。すると二人が「あははっ‼本当にウケる‼雛美のその表情!サイコォ~」二人は私の悔しそうな表情を見て大声で笑う。すると周りのクラスメイト達がヒソヒソと私達を見ながら何か言っていた。
私は真一文字に口を結びながら恨めしい表情で二人を見つめた。
学校が終わった。私は早足で家に帰った。
「ただいま…」私の声に反応してくれる親は居ない。私は黙って自分の部屋まで上がっていった。「どうして…」私は呟きながらベッドへと横たわる。
涙が溢れて来た。学校では笑い者にされ家では私に気遣ってもらえるものもいない。
そんな考えが頭に浮かぶ。
ボロボロと流れて行く涙は枕を濡らしてゆく。こんな人生もう嫌だ。いっそ死んでもいいかも知れない。私はそう思いながら瞼を閉ざした。
キーン
耳鳴りがした。なんだろう。私はゆっくりと瞼を開けていくと遊園地らしき所に横たわっていた。「あれ…夢…?」でもリアル過ぎる。そう思いながらあたりを見渡す。メリーゴーランド、観覧車、ジェットコースター…遊園地にあるものばかり。ここは本当に遊園地なんだ…すると小さく声が聞こえた。振り返ってみると桜と響が起き上がってくる。私は急いで目を合わせないように視線を正面に戻した。
ピンポンパンポーン☆
「みっなさーん☆お目覚めですかぁ〜?うふふ♪お目覚めのよーですねぇ♡では早速始めましょうか…」
私はこの状況が理解しきれない。いきなり遊園地らしき所で目覚め、よく分からない放送が流れている…いったいこれから何が始まると言うのだ…?