高校生になって数か月が経った。
このくらいになると皆お堅い校則を破るのなんて当たり前のようで、大半の子が真っ赤なリップをクレヨンのように塗りたくっていたものだから私は驚いた。つい先日まで皆自然な唇の色をしていたのに──同じ中学校を出てきたあの子も、目元からがっつりおめかししている。あの子だけに限った話ではないだろう。皆きっとお化粧なんてお手の物なのだ。ちなみに私はというと、カラーリップすら塗ったことがない。唇が荒れたときに薬用リップを塗るくらいだ。
ところで、私の学校では長期休みが明ける度に服装検査がある。これがまた厄介で、地毛の色やスカートの長さ、爪の長さと細かいところまで舐められるように見られるのだ。もちろんお化粧なんてものは論外である。メイク落とし用のシートを渡されて、落とすよう言われるらしい。私は名字がら行だから、私より前に呼ばれた女の子達が渋々化粧を落としているのを何度も見たことがある。そういう私はというと、お化粧はしないし、スカートも折らないので、問題なく終わる。
そして私はつくづく疑問に思うのだ──休みの日に存分におめかしすればいいものを、どうして学校生活にも持ち込んでくるのだろう。おかげでトイレはいつでも香水臭い。まったくいい迷惑だ。
こんなことを常に考えているから、友達がいなくなるのだろうか。お堅い奴、地味な奴、無愛想な奴、協調性のない奴──何とでも言え。私は一人でも生きていける。
そういうの、よくわかります。
何故スカートを折るのか…?
何故タイを巻くのか…ってなります。