猫と死神

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2:ルルーシュ@リン廃:2018/03/24(土) 23:17

序章 猫、時、XXX

語れば難しく、長い話になるだろう。





皆さんはシュレーディンガーの猫という話をご存知だろうか。それは、量子力学の基本理論の例え話である。

曰く、箱の中に猫が居るとして、その猫は生きていてかつ死んでいるという。
しかし、これは基本理論の解釈として誤っている。
正しく謂うと、箱の中の猫は生きている可能性と死んでいる可能性を同時に孕んでいる、ということだ。

そして、これをまた言い換えると、「今」という状態から起こりうる「未来」はその取りうる範囲の中で無数に存在するという。
つまり、「今」は「過去」の状態から起こりうる未来の一つであり、違う状態の「今」、すなわちパラレルワールドは無数に存在すると言っているのだ。

もし過去に戻る力を持つ者が居るとして、もしその者が過去を悔やみ、もしその者が望む「今」を手に入れるために時間を徘徊するとしたら、どうなるのだろう。



これはそんな少年の、面白げもなく、難しく、また長い話だ。


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