第1話[恋ができない]part1
「ねぇねぇ、昨日彼氏がね〜」そんな言葉が聞こえる。聞いてるんじゃなくて聞こえるんだ。聞きたくないのに。みんな中学生になってから恋愛話(クソバナ)ばっかり言ってアホみたい。学力が下がる一方だわ。ドンッと背中を叩かれる。「やったな...(*`Д')和彦‼」和彦は隣の席の人気のおちゃらけ男子。「ボーッとするなって〜恋華っ!」ったく、和彦は...と思いながらも笑っている。好き、という感情ではない。そもそも私は恋をしたことがない。前に何かがあった気がする...けど思い出せない...「恋華は顔整ってるんだしもうちょい男子と話せばいいのにな」「ハイハイ、毎日言われちゃ困るよw気持ちだけ貰っておくね」と言っているものの嬉しかった。和彦はいつも私の感情をくすぐるように変化させてくる。「毎日言ってるけどお世辞じゃねえからな!」聖蠡がそのやりとりを睨んでいたことを私は知らなかった。